人生とは偶然の産物でした

人生とは偶然の産物でした

「人生は偶然の積み重ねである」こんな言い古された言葉が、ズシリと心に突き刺さる経験を私もしたことがあります。

この女性との出会いも偶然でした。

地方の田舎町から上京し、昼夜を問わず寝食を忘れてバイトに励みながら学生生活を送っていた私が、逆立ちしても関わることができない部類の人でした。

その日も歌舞伎町にある居酒屋でバイトを終え、鍵を掛けて北新宿のボロアパートへ帰ろうとしていました。

電柱に寄り掛かったまま眠っているいるサラリーマンから、水商売風の女の肩にもたれながら千鳥足で歩いている中年オヤジまで、実に様々な人たちが深夜にも拘らず溢れていた時代でした。

いつもの光景に一瞥をくれて歩き始めた瞬間、仲通りの方角から女性の金切り声が聞こえて来たのです。商売柄、酔客の怒声には慣れていましたがこの時の声は違い、何か鬼気迫るものを感じました。

店を通り過ぎ仲通りに辿り着いた瞬間、上半身の服がボロボロに破れかけ、下着が見えている女性の姿が目に飛び込んできたのです。

田舎のガキ大将だった私の血が騒ぎ、人垣をかき分けてヤクザ風の男に飛びかかっていました。大格闘の末、こともあろうかヤクザの情婦を助けようと大立ち回りを演じてしまったのです。

この喧嘩がきっかけで、その女性とお付き合いすることになったのした。人生とは、まさに偶然の産物でした。